「雪が降る夜に」         ’01年1月7日


ユキと雪の夜

 東京でも雪が降りました。
 東京と言っても、私たちが住んでいる町田市は東京都のはずれにあって横浜市に接しています。
 朝からずっと曇っていた空から雪が降り始めたのは夕闇が濃くなって来た5時過ぎでした。
 雪は静かに降り続けました。
 家の中にいると雪が降っていることなどまるで分からないくらいでした。
 ですから、ユキたちはいつもどおりにぬくぬくと寝ていました。
 でも、夜も10時くらいになると家の裏手がにぎやかになりました。
 そこは小さな駐車場になっているのですが、入口がほんの少しだけ上り坂になっていました。
 雪が積もったためにその車は坂を上れなくて困っているのでした。
 それで友達を呼び集めたらしく4、5人でわいわいと楽しそうに雪かきをしていました。
 その騒ぎはそれでおさまったのですが、12時頃になったら子供たちのはしゃぎ声が聞こえて来ました。
 12時といっても真夜中の12時です。
 そんな時間に小さな子供たちが外ではしゃいでいるのです。
 だれだって不思議に思うでしょう。
 窓を開けて外をのぞいて見ると、幼稚園に行ってるくらいの子供が二人で大きな雪の玉をころがしていました。
 雪の玉はころがされるのにつれて大きくなって、すごく重そうになっていきました。
 こどもたちはそれでせいいっぱい大きな雪ダルマを作るつもりのようでした。
 玉がころがって行く先には小さな犬を抱いた父親らしい男の人が笑いながら立っていました。
 東京ではめずらしく雪が積もるのを見て、おおはしゃぎで親子で出て来たもののようでした。
 けれども、今はやはり真夜中の12時なのです。
 モコたちはもうぐっすりと眠ってしまっています。
 それで私ももう寝ることにしました。

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